【オプタテシケ山】車中泊前泊で登る日帰り登山ガイド|美瑛富士登山口から往復19.1km・北海道

ベベツ岳へ続く展望の稜線

オプタテシケ山(標高2,013m)は、北海道の美瑛町と新得町の境界にそびえる日本三百名山です。大雪山国立公園の中にあり、十勝岳連峰の北端に位置する堂々とした山容の山です。

美瑛富士登山口からの往復は距離19.1km・のぼり1,639m、標準コースタイムは10時間47分。石垣山・ベベツ岳を越えていくロングコースで、早朝スタートが前提になります。

この記事では、登山歴・車中泊歴10年のソロ登山者の視点で、オプタテシケ山の登山口アクセスと林道ゲート・前泊に使える車中泊スポット・美瑛富士登山口からの往復の実体験・下山後の温泉まで、まるごとお伝えします。

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目次
標高2,013m
所在地北海道 上川郡美瑛町・上川郡新得町
山のリスト日本三百名山(大雪山国立公園・十勝岳連峰の北端)
難易度上級(YAMAPコース定数40=「きつい」)
コースタイム目安10時間47分(美瑛富士登山口 往復)
距離/累積標高19.1km/のぼり1,639m・くだり1,638m
ベストシーズン7月上旬〜9月下旬
登山口美瑛富士登山口(美瑛町・白金温泉の奥)

オプタテシケ山はどんな山か

この山の魅力は、登るほどに展望が良くなっていく構成にあります。天然庭園で視界が開けはじめ、美瑛富士避難小屋まで来ると遮るものがなくなり、石垣山・ベベツ岳・オプタテシケ山と3つのピークすべてで大展望が待っています。

山頂からはトムラウシ山、旭岳、ニペソツ山、そして日高山脈まで見渡せます。大雪山系のほぼ全域を一望できる位置にあるのが、この山の大きな価値です。

登山口は美瑛富士登山口。白金温泉から美瑛川の上流方面へ2kmほど入った先にあります。

注意したいのが林道のゲートです。林道自体は全線舗装されていて走りやすいのですが、入口のゲートが閉まっているため、初見では「通行止めなのでは」と思ってしまいます

実際には鎖を外して通行でき、通るたびに開け閉めをする運用です。通過後は必ずゲートを閉じて鎖を巻き戻してください

駐車場は登山口の手前にあり、10台ほどのスペースです。

美瑛富士登山口の駐車スペース
登山口の駐車スペース
美瑛富士登山口
美瑛富士登山口

何時までに登山口へ着けばいいか

私は道の駅 びえい「白金ビルケ」で4時に起床、4時30分に出発し、5時に駐車場着。歩き出したのは5時11分でした。

標準コースタイムは10時間47分。日帰りなら5時台には歩き出したいロングコースです。道の駅から登山口までは30分程度なので、前泊しておけば無理なく早朝スタートが切れます。

オプタテシケ山の登山口周辺に車中泊できる施設はありませんが、白金温泉の入口に道の駅があるので、前泊の環境はかなり恵まれています。

【1】道の駅 びえい「白金ビルケ」(今回利用)

今回、私が実際に前泊したのがここです。登山口まで車で約30分。道道の夜間交通量がほとんどなく、大型車の往来もほぼないため、耳栓なしで眠れる静けさでした。

青い池や白ひげの滝が近く、標高が高いぶん夏でも涼しいのが魅力です。

【2】道の駅 びえい「丘のくら」

こちらは今回は前泊に使っていないので、参考情報としてまとめておきます。白金ビルケと同じ美瑛町内にあるもう一つの道の駅で、場所は美瑛市街のJR美瑛駅前(徒歩3分)。大正時代に建てられた美瑛軟石の石倉を活用した建物が目印です。

市街地にあるぶん買い出しの選択肢が多いのが、白金ビルケとの違いになります。

登山口まで約30分と近く、道道の静けさも申し分ないので、オプタテシケ山の前泊なら白金ビルケが第一候補です。買い出しの選択肢を増やしたいときや、美瑛市街と合わせて動くなら丘のくらも候補になります。

美瑛富士登山口から石垣山・ベベツ岳を経由してオプタテシケ山を往復しました。実測タイムと合わせて、区間ごとに振り返ります。

ルート全体図

オプタテシケ山 美瑛富士登山口からの往復ルート全体図
国土地理院 地理院タイル(標準地図)を加工して作成

オプタテシケ山のコースタイム(標準・実測)

区間標準コースタイム(累計)実測コースタイム(累計)
美瑛富士登山口出発 5時11分
登山口 → 天然庭園2時間00分(累計 2:00)1時間13分(累計 1:13)
天然庭園 → 美瑛富士避難小屋1時間25分(累計 3:25)1時間08分(累計 2:21)
美瑛富士避難小屋 → 石垣山32分(累計 3:57)24分(累計 2:45)
石垣山 → ベベツ岳30分(累計 4:27)36分(累計 3:21)
ベベツ岳 → オプタテシケ山1時間50分(累計 6:17)50分(累計 4:11)
オプタテシケ山 → 登山口(下山)4時間30分(累計 10:47)3時間54分(累計 8:05)
美瑛富士登山口下山 13時16分

標準タイムの合計は10時間47分、実測は8時間05分(山頂での休憩約30分を含む)でした。

出発前夜〜当日朝

前夜は道の駅 びえい「白金ビルケ」で車中泊。4時起床、4時30分に出発し、林道ゲートを開け閉めして5時に駐車場着です。

登り① 登山口〜天然庭園

5時11分にスタート。序盤は緩やかな登りで、体を慣らすにはちょうどいい区間です。次第に傾斜は増しますが、道自体は終始歩きやすく整備されています。

序盤は緩やかな登りが続く登山道
序盤は緩やか
登山道の途中にある天然庭園
天然庭園

6時24分、天然庭園に到着。このあたりから展望がようやく開けてきます

天然庭園からの展望
天然庭園からの展望
天然庭園から先は展望が開けてくる
ここから展望が開ける

登り② 笹原〜美瑛富士避難小屋

天然庭園から先は、展望のいい笹原の道を進みます。高度を上げるにつれて視界がどんどん広がっていくのが気持ちいい区間です。

展望のいい笹原の登山道を進む
展望のいい笹原を進む
美瑛富士避難小屋
美瑛富士避難小屋

7時32分、美瑛富士避難小屋に到着。ここまで来ると遮るものがなくなり、大展望を楽しめます

登り③ 石垣山〜ベベツ岳

避難小屋から石垣山への登りにかかります。7時56分、石垣山の山頂に到着。狭い山頂ですが360度の大展望でした。

石垣山へ向かう登り
石垣山への登り
石垣山の山頂
石垣山 山頂

石垣山からは美瑛富士が間近に見え、これから向かうオプタテシケ山も一望できます。

石垣山から見た美瑛富士
石垣山から美瑛富士
石垣山から見たこれから向かうオプタテシケ山
これから向かうオプタテシケ山

稜線を進むと、登山道でエゾゼミに出会いました。ベベツ岳へ続く稜線は展望が開けていて、歩いていて楽しい区間です。

登山道で見かけたエゾゼミ
エゾゼミ
ベベツ岳へ続く展望の稜線
ベベツ岳へ続く稜線

8時32分、ベベツ岳に到着。ここからも美瑛富士とオプタテシケ山がよく見えます。

ベベツ岳の山頂
ベベツ岳 山頂
ベベツ岳の山頂から見た美瑛富士
ベベツ岳から美瑛富士

登り④ 300mの登り返し〜山頂

ベベツ岳から先が、このコースの正念場です。いったん下ってから、約300mの登り返しが待っています。

ベベツ岳の山頂から見たオプタテシケ山
ベベツ岳からオプタテシケ山
オプタテシケ山への最後の登り返し
最後の登り返し

しかもざれた場所が多く、足元に気を使う区間です。疲れが出てくるタイミングでもあるので、慎重に進みたいところ。

ざれていて慎重さが要る登山道
ざれていて要慎重
オプタテシケ山の山頂まであと少し
もうすぐ山頂

山頂 360度の大展望

9時22分、オプタテシケ山の山頂に到着。出発から4時間11分でした。

この日は360度の大展望。ニペソツ山、トムラウシ山、旭岳、そして日高山脈まで、北海道の名峰がぐるりと見渡せました。

オプタテシケ山の山頂に到着
オプタテシケ山 山頂
オプタテシケ山の山頂から見たニペソツ山方面
山頂からニペソツ山方面
オプタテシケ山の山頂から見たトムラウシ方面
山頂からトムラウシ方面
オプタテシケ山の山頂から見た日高方面
山頂から日高方面

この日に見えていたニペソツ山にも登っています。

下り 往路を戻って登山口へ

9時51分に山頂を出発し、往路をそのまま戻ります。ざれた登り返しの下りは、往路以上に足元に注意が必要でした。

13時16分に下山完了。合計8時間05分、19.1kmの行程でした。帰りも林道のゲートを開け閉めして戻ります。

登山口へ続く林道のゲート
林道のゲート(帰路に撮影)

実際に歩いてみて、事前に知っておきたかったと感じた点をまとめます。

  • 林道ゲートは「閉まっていても通れる」:林道は全線舗装だが、入口のゲートが閉じているため初見では通行止めに見える。鎖を外して通行し、通るたびに閉め直す
  • 駐車場は10台ほど:早着が安心。ハイシーズンは満車も想定しておく
  • ベベツ岳からの約300mの登り返し:いったん下ってから登り返す。ここが体力的な核心
  • 登り返し区間はざれている:滑りやすい箇所が多く、往路より下りのほうが気を使う
  • 往復19.1km・標準10時間47分のロング:日帰りなら前泊して5時台スタートが前提
  • 展望は避難小屋から先が本番:天然庭園で開けはじめ、避難小屋以降は遮るものがない

一般的な装備リストではなく、私がこの山で実際に使ったものだけを紹介します。

必須装備

熊鈴(2つ):十勝岳連峰もヒグマの生息域です。熊鈴はリュックの前と後ろに1つずつ、計2つ付けて、前方と後方の両方に音が散るようにしています。あえて音色の違うものを2つ使い、複数人で歩いているように聞かせるのが狙いです。

あわせて、ラジオの代わりにYouTubeで推しの動画をバックグラウンド再生しながら歩いています。鈴とは違う「人の声」が出続けるので、音の種類を増やすという意味でも効いていると感じています。

熊スプレー:音で知らせるのはあくまで「出会わないための」対策なので、それでも遭遇してしまったときに備えて熊スプレーも常備しています。とっさに使えなければ意味がないので、ザックのすぐ取り出せる位置に固定しています。

あると安心だった装備

ストック:ベベツ岳からの登り返しと、その下りで使いました。ざれた斜面では支点がひとつ増えるだけで安定感がまるで違います

この山は登山口のすぐ手前が白金温泉という、下山後の温泉には恵まれた立地です。登山口から白金温泉までは2〜3kmほどしかありません。

白金温泉の日帰り入浴施設 湯処 杖忘れの湯
白金温泉「湯処 杖忘れの湯」
温泉施設登山口駐車場からの距離営業時間料金(大人)
湯処 杖忘れの湯約2km・車で3分11:00〜18:00
(最終受付17:00・火水休)
800円
美瑛白金温泉 ホテルパークヒルズ約2km・車で4分11:00〜21:00
(最終受付20:30・無休)
1,530円
森の雫RIN約2km・車で4分11:00〜21:00
(最終受付20:30・無休)
1,200円
碧の美 ゆゆ約2km・車で4分11:00〜20:00
(最終受付19:30・無休)
1,200円
森の旅亭 びえい約2km・車で4分11:00〜14:00
(月休、祝日の場合翌日)
1,200円

オプタテシケ山は、往復19.1km・標準10時間47分のロングコースです。ただし道そのものは歩きやすく、危険箇所が連続するタイプの山ではありません。体力の勝負どころは、ベベツ岳からの約300mの登り返しに集約されます。

この山の良さは、登るほどに展望が開けていく構成にあります。天然庭園で開けはじめ、避難小屋で遮るものがなくなり、石垣山・ベベツ岳・山頂と、3回それぞれ違う大展望が待っています。

登山口の林道ゲートだけは、初見だと戸惑うポイントです。閉まっていても、鎖を外して通行できます。事前に知っておくと安心して向かえます。

なお、登山道の状況や施設の営業情報は変わることがあります。最新の情報を美瑛町や各施設の公式案内で確認し、無理のない計画で行動してください。単独行の場合は、登山届の提出と行動予定の共有も忘れずに。

北海道・大雪〜十勝岳連峰エリアで登山の前泊に使える道の駅を、ほかにも実体験でレポートしています。

▼ 大雪〜十勝岳連峰エリアで登山前泊に使える道の駅

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