【芦別岳】車中泊前泊で登る日帰り登山ガイド|急登続きの新道コース・北海道

芦別岳へ続く稜線

芦別岳(あしべつだけ・標高1,726m)は、北海道の富良野市と芦別市の境にそびえる日本二百名山です。夕張山地の最高峰で、鋭く切れ込んだ岩稜が連なる荒々しい山容から「北海道の谷川岳」とも呼ばれます。

新道コースの往復は距離12.6km・のぼり1,531m、標準コースタイムは8時間00分。距離のわりに標高差が大きく、序盤からひたすら急登が続くのが特徴です。早朝スタートにしたかったので、私は道の駅 スタープラザ芦別で前泊してから向かいました。

この記事では、登山歴・車中泊歴10年のソロ登山者の視点で、芦別岳の登山口アクセスと駐車場・前泊に使える車中泊スポット・新道コースを往復した実体験・下山後の温泉まで、まるごとお伝えします。

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目次
標高1,726m(夕張山地の最高峰)
所在地北海道 富良野市・芦別市
山のリスト日本二百名山/北海道百名山
難易度中〜上級(YAMAPコース定数34=「きつい」)
コースタイム目安8時間00分(新道コース 往復)
距離/累積標高12.6km/のぼり1,531m・くだり1,536m
ベストシーズン6月下旬〜9月下旬
登山口芦別岳新道コース登山口(富良野市山部)

芦別岳はどんな山か

芦別岳の特徴は、距離12.6kmに対してのぼりが1,531mという数字に表れています。長さで削られるというより、とにかく登り続ける山です。

もうひとつの特徴が展望の出方です。見晴し台で富良野方面が開け、半面山を過ぎると一気に視界が広がり、雲峰山でようやく芦別岳本体が姿を現します。主役が最後まで出てこない構成が、この山の面白さでもあります。

なお登山道は新道コースと旧道コースがあり、旧道は難易度が上がります。今回歩いたのは一般的な新道コースの往復です。

登山口は富良野市山部にある芦別岳新道コース登山口。ここまでの道は走りやすく、駐車場の目の前が登山口という分かりやすさです。

登山口にはシカの侵入防止用のゲートがあります。ここを開けて登山開始です。

芦別岳新道コース登山口の駐車場
登山口の駐車場
登山口にあるシカ侵入防止のゲート
シカ防止のゲート

何時までに登山口へ着けばいいか

私は道の駅 スタープラザ芦別を4時30分に出発し、5時15分に駐車場着。歩き出したのは5時34分でした。

標準コースタイムは8時間00分。日帰りなら8時前には歩き出したいところです。道の駅から登山口までは45分ほどなので、前泊しておけば無理なく早朝スタートが切れます。

芦別岳の登山口周辺には車中泊に向いた施設がありません。現実的な選択肢は、国道38号沿いに出た道の駅です。北側の芦別市街と、南側の南富良野に、それぞれ候補があります。

【1】道の駅 スタープラザ芦別(今回利用)

今回、私が実際に前泊したのがここです。登山口まで車で約45分。「星の降る里」芦別市の中心部にあり、コンビニも近くて買い出しに困りません。

ただし敷地の中心が大型車駐車場なので、アイドリング音の対策は必要でした。静かに眠るならレストラン・売店前の区画がおすすめです。

【2】道の駅 南ふらの

今回は利用していませんが、南富良野町側から芦別岳へ向かう場合の選択肢がここです。登山口までは国道38号を北上して車で約40分24時間使えるトイレ(男女・多目的)と、広くて平坦な無料駐車場が整っています。

敷地内にモンベルショップやレストラン・フードコート、ベーカリーがあり、買い出しや装備の最終チェックにも便利。南から芦別岳をねらうなら、前泊地の候補として押さえておきたい道の駅です。

登りも下りも新道コースを使った往復です。実測タイムと合わせて、区間ごとに振り返ります。

ルート全体図

芦別岳 新道コース往復のルート全体図(見晴し台・半面山・雲峰山・山頂)

芦別岳のコースタイム(標準・実測)

区間標準コースタイム(累計)実測コースタイム(累計)
芦別岳新道コース登山口出発 5時34分
登山口 → 見晴し台1時間50分(累計 1:50)56分(累計 1:00)
見晴し台 → 半面山1時間35分(累計 3:25)1時間03分(累計 2:10)
半面山 → 雲峰山35分(累計 4:00)23分(累計 2:39)
雲峰山 → 芦別岳35分(累計 4:35)16分(累計 3:11)
芦別岳 → 登山口(下山)3時間25分(累計 8:00)2時間17分(累計 5:59)
芦別岳新道コース登山口下山 11時34分

標準タイムの合計は8時間00分、実測は5時間59分(休憩49分を含む)でした。

出発前夜〜当日朝

前夜は道の駅 スタープラザ芦別で車中泊。4時30分に出発し、5時15分に駐車場着です。

登り① 登山口〜見晴し台(ひたすら急登)

5時34分にスタート。シカ防止のゲートを越えると、もう最初から登りが始まります

序盤から始まる芦別岳新道コースの登り
序盤から登りが始まる
看板からさらに急登になる登山道
ここからかなりの急登

とくに「序曲」と書かれた看板から先は、かなりの急登です。名前とは裏腹に、ここからが本番といった感じでした。

延々と続く急登
急登が続く
広い休憩スペースがある見晴し台
見晴し台

6時34分、見晴し台に到着。広い休憩スペースがあり、北側の富良野方面の見通しがいい場所です。

登り② 見晴し台〜鶯谷〜半面山

見晴し台から鶯谷までも急登が続きます。ただしこの区間は道幅が広く、笹薮をかき分ける必要もないので歩きやすいのが救いでした。

見晴し台から北側の富良野方面を見渡せる
富良野方面の眺め
見晴し台から鶯谷までは道幅が広く歩きやすい
道幅が広く歩きやすい

7時05分、鶯谷の分岐を通過。ここから先は笹が生い茂る場所が多くなり、雰囲気が変わります。

鶯谷の分岐
鶯谷の分岐
鶯谷から先は笹が生い茂る登山道
鶯谷から先は笹が茂る

7時44分、半面山に到着。この日はガスが充満していて、残念ながら展望はありませんでした。

半面山に到着
半面山に到着
半面山はガスが充満して展望なし
ガスで展望なし
半面山の山頂部
半面山の山頂部

登り③ 半面山〜雲峰山(展望が開ける)

半面山を過ぎると、一気に展望が良くなります。ここからがこの山の楽しい区間です。

半面山から先は展望が良くなる
ここから展望が良くなる
刈払いされて歩きやすい登山道
刈払いされている区間

ただし後半は刈払いがされておらず、笹薮が深い箇所もありました。刈払い済みの区間との差がはっきりしています。

後半は刈払いされておらず笹薮が深い
後半は笹薮が深い
雲峰山の山頂からの展望
雲峰山からの展望

8時13分、雲峰山に到着。大きな岩があって休憩しやすい山頂で、ここでようやく芦別岳が姿を見せます

雲峰山でようやく姿を見せた芦別岳
ようやく芦別岳が見えた
大きな岩がある雲峰山の山頂
雲峰山 山頂

登り④ 雲峰山〜芦別岳山頂

雲峰山から先は、芦別岳へ続く稜線を進みます。ただしこの区間は笹薮が深く、最後まで気が抜けません。

芦別岳へ続く稜線
芦別岳へ続く稜線
山頂への最後の登りは笹薮が深い
最後の登りは笹薮が深い

最後は岩場の登りをこなして山頂へ。

山頂直下の岩場の登り
最後の岩場の登り
芦別岳の山頂
芦別岳 山頂

山頂 360度の素晴らしい展望

8時45分、芦別岳の山頂に到着。出発から3時間11分でした。

山頂は360度の素晴らしい展望。大雪山方面、日高方面、そして旧道側の荒々しい岩稜まで見渡せました。半面山でガスに巻かれていただけに、この展望は格別です。

芦別岳の山頂から見た大雪山方面
山頂から大雪山方面
芦別岳の山頂から見た日高方面
山頂から日高方面
芦別岳の山頂から見た旧道方面
山頂から旧道方面
芦別岳の山頂部
芦別岳の山頂部

下り 往路を戻って登山口へ

9時16分に山頂を出発し、往路をそのまま戻ります。下りで通過した半面山では、往路と違って展望が得られました。

下りに立ち寄った半面山からの展望
下りの半面山からの展望

11時34分に下山完了。合計5時間59分の行程でした。

実際に歩いてみて、事前に知っておきたかったと感じた点をまとめます。

  • とにかく序盤から急登:距離12.6kmに対しのぼり1,531m。「序曲」の看板から先が本番
  • 笹薮の区間がある:鶯谷から先と、雲峰山から山頂までが深い。刈払いの有無で歩きやすさが大きく変わる
  • 見晴し台〜鶯谷は歩きやすい:道幅が広く笹もない。ここでペースを整えたい
  • 展望は半面山から先が本番:半面山まではガスに巻かれると何も見えない
  • 芦別岳が見えるのは雲峰山から:それまで主役が姿を見せない
  • 登山口にシカ防止ゲートがある:開けて入り、通過後は閉める
  • 旧道コースは難易度が上がる:一般的なのは新道コース

一般的な装備リストではなく、私がこの山で実際に使ったものだけを紹介します。

必須装備

熊鈴(2つ):芦別岳もヒグマの生息域です。熊鈴はリュックの前と後ろに1つずつ、計2つ付けています。前方と後方の両方に音が散るようにするためです。しかもあえて音色の違うものを2つ使い、複数人で歩いているように聞かせるのが狙いです。

あわせて、ラジオの代わりにYouTubeで推しの動画をバックグラウンド再生しながら歩いています。鈴とは違う「人の声」が出続けるので、音の種類を増やすという意味でも効いていると感じています。

熊スプレー:音で存在を知らせるのはあくまで「出会わないため」の対策なので、それでも遭遇してしまった場合に備えて熊スプレーも常備しています。すぐ取り出せる位置に付けておかないと意味がないので、装着場所も含めて習慣にしています。

あると安心だった装備

ストック:この山はとにかく急登と急な下りの繰り返しなので、下りでの膝の負担軽減に有効でした。

マダニ対策:皮膚の部分を極力少なくするのが対策の基本。長袖はモンベルのクールパーカを着用しています。さらに虫よけを徹底し、万が一マダニに嚙まれた場合に備えて、マダニを除去する道具(ティックツイスター)を持ち運んでいます。

芦別岳の登山口は富良野市側にあります。芦別市街の温泉は登山口から少し遠いため、下山後は富良野市街の日帰り入浴が現実的です。今回、私は富良野の「ハイランドふらの」に立ち寄りました。

下山後に向かった日帰り温泉 ハイランドふらの
ハイランドふらの

そのほかにも、富良野市街には日帰り入浴を受け付けているホテルが点在しています。登山後に立ち寄りやすい施設を、料金・営業時間とあわせてまとめておきます。

温泉施設日帰り入浴の営業時間料金(大人)
ハイランドふらの
(今回立ち寄り)
6:00〜23:00
(最終受付22:00)
650円
(6:00〜8:00は550円)
ふらのラテール 万華の湯10:00〜22:00
(最終受付21:00)
980円
ホテル ナトゥールヴァルト富良野15:00〜21:00600円
富良野リゾートホテル エーデルヴェルメ6:00〜9:00/15:00〜24:00500円
新富良野プリンスホテル 紫彩の湯13:00〜23:30
(夏季7〜8月は13:00〜18:00)
1,700円

今回立ち寄った「ハイランドふらの」は朝6時から営業していて、ラベンダー畑越しに十勝連峰を眺められる開放的な湯でした。早朝や午前中に下山したときも使えるのが強みです。市街地まで戻るなら、10時から開く「万華の湯」も選択肢になります。いずれも営業時間や日帰り受付の可否は変わることがあるので、出発前に公式サイトで確認してから向かってください。

芦別岳は、距離12.6km・のぼり1,531mという数字が示すとおり、ひたすら登る山です。標準8時間00分は、距離よりも累積標高と笹薮によるものだと歩いてみて実感しました。

この山の面白さは展望の出方にあります。見晴し台で富良野方面が開け、半面山を過ぎて視界が広がり、雲峰山でようやく芦別岳本体が姿を現す。そして山頂で360度の展望が待っています。

気をつけたいのは笹薮の区間です。鶯谷から先と雲峰山から山頂までは刈払いの状況によって歩きやすさが大きく変わります。

なお、登山道の状況や施設の営業情報は変わることがあります。最新の情報を富良野市や各施設の公式案内で確認し、無理のない計画で行動してください。単独行の場合は、登山届の提出と行動予定の共有も忘れずに。

同じ夕張山地の夕張岳にも登っています。あわせて、前泊に使える北海道の道の駅も紹介します。

▼ 同じ夕張山地の山

▼ 登山前泊に使える北海道の道の駅

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